ハンドメイド作品の値付け・価格設定の方法
スマホケース制作の雑貨番号202です。
今回は、ハンドメイド作品の値段設定(プライシング)について。いくつか価格設定の方法を語りたいと思います。ハンドメイドに限った話ではないのですが、作品や商品の販売価格を考えた場合、どのような方法があるでしょうか。
利益となる金額を上乗せする
販売価格設定で1番簡単なのが、原価に利益となる金額を上乗せすることでしょう。(原価については、後日に解説する予定です。)
たとえば1つの作品につき500円の利益がほしいと思えば…
原価300円 + 利益500円 = 販売価格800円
原価500円 + 利益500円 = 販売価格1000円
…というような値付けです。この方法はシンプルでわかりやすいですね。
※実際は手数料なども考慮しないといけないのですが、今回は単純化するために省略しています。
利益となる割合(率)を上乗せする
金額でなく割合(率)で利益を上乗せする方法も一般的です。
たとえば原価率を約33%(逆に言えば利益率66%)と設定した場合、原価を3倍にすると販売価格になります。
原価300円 × 3 = 販売価格900円
原価500円 × 3 = 販売価格1500円
この方法もシンプルでわかりやすいですね。
相場に合わせる
さきほどの利益額を乗せる・利益率を乗せるという2パターンでは、うまく売れない可能性も出てきます。販売するジャンルにもよると思いますが、よその販売価格に合わせないと売れない場面もあるでしょうか。
たとえば、あなたがガソリンスタンドの経営者だとします。原価を考えるとガソリン1リットルを150円で売りたいと思っていても、他の近隣のガソリンスタンドが1リットル120円で売っているならば、こちらも120円前後で売らないといけないでしょう。いわゆる相場です。
私の場合も、相場を考えて値付けを行っています。できれば原価率3割くらいで販売したいのが本音ですけども…。
ガソリンスタンドでいえば、まわりにライバルがいない状態ならば1リットル180円でも200円でも売れるかもしれませんが、どの業界もライバルは多いですよね。
トータルで利益を考える
原価に一律、利益額・利益率を上乗せできないケースも考えられます。たとえば全品100円の100円ショップや、全皿100円の回転寿司などですね。
このような商売だと原価が高い(儲からない)商品と原価の低い(儲かる)商品が混在します。利益の低い商品があっても、利益の高い商品を売ることで補う方法ですね。回転寿司でいえば、原価の高いネタだけでなく原価の低いネタも食べてもらって、全体として利益を上げる戦略です。
例としてハンドメイドのアクセサリー販売で、全品500円均一というショップを考えてみましょう。買う側からすると、全品500円均一というのはわかりやすくて魅力的です。
しかしながら、売る側としては厳しい側面もあります。商品Aと商品Bがあるとして…
商品A 販売価格500円 = 原価400円 + 利益100円(利益率20%)
商品B 販売価格500円 = 原価100円 + 利益400円(利益率80%)
…という利益率としましょう。
商品Aだけが売れると、利益的には非常に厳しいです。利益率は20%しかありません。ただし、商品Bも売れたとすると、全体としての利益率は50%になります。単体ではなく、全体で利益が上がるように工夫するということですね。
こういった場合は、まとめ買いしやすい要素が必要です。たとえば送料を300円としましょうか。2000円以上お買い上げで送料無料を用意しておくと、まとめて買ってもらえる率が高くなるかもしれません。
500円商品を1個だけ買うと送料300円で合計800円。
500円商品を3個買うと送料300円で合計1800円。
500円商品を4個買うと送料無料で合計2000円。
平均して4個買ってもらえれば客単価は2000円なので、利益が獲得しやすくなるでしょう。
ただし、利益率の低い商品は購入数の制限などが必要です。利益率の低い商品だけをまとめ買いされてしまうと苦しいので…。利益率の低い商品は「制作時間などの関係により、1注文で1個まで」というようなルールを設定しておくとよいでしょうか。
このように値付けというのは、「どうやって利益を回収するか?」という仕組みの設計によっても左右されます。
端数をつけて割安感を演出
さきほどの全品500円均一などのショップでは導入しにくいのですが、端数(はすう)をつけて割安感を演出するという値付けも多用されていますね。
同じような商品が2つあったとしましょう。1つは1000円、もう1つは980円だった場合、より割安感のある980円を選ぶ人のほうが多いはずです。3000円と2980円の比較でも、2980円のほうが割安感が強く出ます。たった20円の差ですけど。
このように端数をつけて割安感を演出するという手法も、1つの値付けテクニックかもしれません。
個人的な意見としては、計算が面倒になるので、価格が均一のショップでの端数価格の導入はおすすめしません。
ただし、均一価格でありながら端数価格を採用しているお店もあります。居酒屋の鳥貴族は、全品298円均一の焼鳥屋として有名でしょうか。逆にファミリーレストランのサイゼリヤでは、ミラノ風ドリア299円を300円に値上げなど、端数価格をやめて会計のしやすさを優先していますね。これも考え方・戦略の違いでしょう。
まぁ、販売する側に価格を決める権限はありますが、作品の価値を判断するのはお客さまになります。値段以上の価値があると思われる値付けを心掛けたいものですね。
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